夏季のトロポス導入効果の実測紹介①(大阪オフィスビル)
目次
窓際で、夏の強い日差しや冬の冷え込みを感じたことはありませんか? 窓からの熱の影響は、室内の快適性に大きく関わります。
「トロポス」は、そんな窓際の温熱環境を整え、オフィス全体をより快適にするために開発された次世代の高性能内窓です。
今回、トロポスをご採用いただいたオフィスビルで実施した導入効果測定の結果についてご紹介します。
ペリメーターゾーンとは?
オフィスの窓際と室内中央で、温度の違いを感じることはありませんか? それは窓際は外気の影響を受けやすいため、夏は日射で暑くなり、冬は冷気(コールドドラフト)で寒くなりがちなためです。
建物の外周部3~5mの範囲は「ペリメータゾーン」と呼ばれ、季節や天候によって温熱環境が変わりやすいエリアです。そのため、室内の中心部「インテリアゾーン」とは異なり、窓際だけが冷暖房の効き方にムラが出ることもあります。
例えば、
✅ 室内中央は冷房が効いているのに、窓際は外気の影響で暖房が必要になることがある
✅ 室内中央は暖房が快適なのに、窓際だけが日射の影響で冷房が必要になる
このような温度差があると、空調エネルギーのムダが発生したり、オフィスの快適性が損なわれたりすることがあります。
大阪オフィスビルでの測定概要
大阪市内にあるオフィスビルにて、「トロポス」導入前後の温熱環境の違いを比較しました。
窓際と室内中央の温度差がなくなれば、ペリメータゾーンの影響が解消され、より快適な空間が実現できます。
オフィスではブラインドの開閉によって窓際の環境が変わることが多いため、
以下の3つの条件で測定を実施し、体感温度に大きく影響する「平均放射温度(MRT)」 を指標として測定を行いました。
それぞれの状態で、「トロポス」設置前後の窓際と室内中央の温熱環境の違いを比較し、ペリメータゾーンの解消効果を検証しました。
測定結果:トロポス設置前後の温熱環境の変化
今回の測定では、窓際(ペリメータゾーン)と室内中央(インテリアゾーン)の平均放射温度の差を比較し、トロポスが窓際の温熱環境をどれだけ改善できるかを確認しました。
トロポス設置前
ブラインド全開時: 日射の影響を強く受け、窓際は室内中央より13.1℃高い
ブラインド半開時: 日射はやや抑えられたものの、温度差は3.5℃と、まだ差が残る
ブラインド全閉時: 日射が遮られたことで、温度差は1.3℃まで小さくなった
➡ ブラインドを開けるほど日射の影響が大きくなり、窓際と室内中央の温度差が拡大することを確認しました。
トロポス設置後
ブラインド全開時: 日射の影響を受ける状態でも、温度差は2.5℃まで抑制
ブラインド半開時: 温度差は0.2℃と、窓際と室内中央とほぼ同じ温度
ブラインド全閉時: 温度差は0.1℃となり、窓際と室内中央はさらに同じ温度に均一化
➡ ブラインドの開閉にかかわらず、窓際と室内中央の温度差が小さく保たれることが確認されました。
この結果から、トロポスの導入により、窓際の温熱環境が改善され、オフィス全体の快適性が向上することが確認されました。
まとめ
今回の測定結果から、トロポスの導入により、窓際が室内中央の温熱環境と同等になっていることが確認できました。トロポス設置後は、眺望や採光を活かした、より開放的なオフィス空間を実現できるかもしれません。
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本ページは、弊社高田が執筆し、