夏季のトロポス導入効果の実測紹介②(大阪オフィスビル)

 

窓際で、
☀️夏場:ジリジリとした暑さを感じる
❄️冬場:冬は冷気が伝わって足元が寒い
といった経験はありませんか?
これは、窓の表面温度が外気の影響を大きく受けるために起こる現象です。


例えば、
☀️夏場:窓の表面温度が上昇し、輻射熱で室温が上がる
❄️冬場:窓の表面温度が下がり、コールドドラフト(冷気流)が発生

これらは窓の表面温度を安定させることで、室内の快適性が向上します。


前回は
夏季の大阪のオフィスビルにおける測定で、トロポス設置により、窓際と室内中央の温度差が小さくなった事例をご紹介しました。
 ∟トロポス導入効果の実測紹介①(大阪オフィスビル)

今回は
なぜ温度差が小さくなったのか?その要因である、トロポス設置による「窓の表面温度」を可視化した測定結果をご紹介します。


外窓とトロポスの表面温度の測定

大阪のオフィスビルにて、「トロポス」設置前後窓の表面温度を測定し、サーモグラフィで可視化しました。

 

ブラインド全開時の外窓とトロポスの表面温度比較

窓の表面温度を測定し、約10℃の低下が確認されました。
トロポスを設置することで、窓表面からの輻射熱が抑えられ、窓際の体感温度が下がることが分かりました。

温度比較画像-1(大阪ビル)

 

 



ブラインド半開時の外窓とトロポスの表面温度比較

ブラインド全開時と比較すると、外窓の表面温度は約3℃低下しましたが、トロポスの温度はほとんど変わりませんでした

温度比較画像-2(大阪ビル)

 


ブラインド全閉時の外窓とトロポスの表面温度比較

外窓の表面温度は上部で33.2℃、下部で29.1℃の温度差は、ブラインド全閉時でもスラットの隙間を通じて空気が循環するために発生します。トロポス側の表面温度は29.4℃でした。
ブラインド全開時と比較すると、外窓の表面温度は
約8℃低下しましたが、トロポスの温度はほとんど変わりませんでした

 

温度比較画像-3(大阪ビル)

 


まとめ

今回の測定結果から、トロポスを設置すると窓際の表面温度が大きく低下することが確認されました。
また、ブラインドを開けた状態や、羽根の角度を変えた状態では外窓の表面温度が変化しましたが、トロポス設置後の温度はほとんど変わりませんでした。
トロポスを導入することで、日差しの暑さを気にしてブラインドを操作する回数を減らすことができるかもしれません。


次回は、冬季の測定結果をお届けします。


 本ページは、弊社高田が執筆し、建築学会環境系論文集に掲載された論文をもとに作成しています。